出産が迫ると、おりものに少量の血が混じることがあり、これを「おしるし」といいます。
妊娠後期は子宮口がやわらかくなり、粘り気のあるおりものの量が増えます。これは赤ちゃんが産道を通って生まれてくるときに、おりものが潤滑剤の働きをするためです。

さらにお産が近づくと、子宮の出口(子宮頸管部)の粘り気のあるおりものに、赤ちゃんを包んでいる卵膜が子宮壁から少しはがれたときに起きる出血が少量混ざって排出されます。これが一般的に「おしるし」と呼ばれるもので、出産が近いことを知らせるサインのひとつ。個人差はありますが数日で陣痛が起こり、出産へと進んでいきます。

Q.大至急受診が必要なおりものは?
A.妊娠後期、おりものが以下のような状態であれば、病院に連絡してすぐに受診しましょう。

●水っぽいおりものがサラサラと流れるように出る…赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ、中の羊水が流れ出る「破水」が起こっている可能性があります。細菌が侵入して感染する恐れがあるので、入浴やシャワーは避け、清潔なナプキンやタオルをあててすぐに受診を。

●サラサラとした出血、痛みが強い…赤ちゃんが生まれる前に胎盤がはがれ、母子共に危険な状態に陥る「常位胎盤早期剥離」や「前置胎盤」など、危険な兆候が疑われます。救急車を呼び、大至急病院へ。

出産直前は、一般的に妊婦健診も週に1回行われている時期です。通常の「おしるし」であればすぐに陣痛が始まるわけではないので、そのときに報告するか、健診がすんだばかりであれば電話で連絡すれば大丈夫です。ただし破水や出血が見られたときは赤ちゃんを守るためにも適切な処置が必要なため、ただちに病院に連絡して指示をあおぎましょう。